狭いお部屋の住人は、

心が、ぎゅうぎゅう息ができず、

自然の中へ飛び出した。

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どっしりと、そびえる大きな山には、

雪で倒れた老木があり

横には

根をはりだした若木が吹きすさぶ厳しい風雪に耐えていた。

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懐かしく

心地よく

四角くなりそうだった心が

心がまん丸になり、

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帰りには、

太陽が窓越しに「がんばれ、がんばれ」とささやきかけ

「もう、最後だね」という別れの時には、

あらんかぎりの力をふり絞り

力を与えていただき、

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元の小さなお部屋は

みんなが「まっていたよ」と出迎え、

とても心地よい空間になっていた。

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